産後なぜか涙が止まらない…マタニティブルーになった話



 

私は今年初めての子供に恵まれました。



元々子供が好きだった私は、妊娠がわかった時とても嬉しくて

それと同時に 本当に私の体に別の命がいるの? と思ったことを覚えています。




なんだかんだあって無事に生まれてきてくれた新しい命



尊くて絶対に守りたいという想いの裏で実はずっと不安と戦っています。



この記事では私の出産の話と産後の体験と変化を書いていきます。




今現在気持ちがブレてしまって不安だというお母さん、

奥様が出産を終えてなんだかいつもと違うと感じているご主人、




そんな方に届けば嬉しいなと思っています。






マタニティブルーとは


マタニティーブルーとは、妊娠中や出産後に起こる不安症のことです。



耳にしたことがある方も多いであろうこの言葉ですが自分は大丈夫だろうなんて
軽く考えていましたがそんなことはありませんでした。



マタニティブルーと似たもので “産後うつ” というものもよく聞きますが
マタニティブルーと産後うつは別の症状だそうです。



マタニティブルーは一時的なもので自然に回復していきますが
それに対し産後うつは持続的に症状が出るもので、しっかりとした治療が必要になります。



ですが一時的にとは言えマタニティブルーもメンタル面においてかなり不調になってしまいます。

一時的故に多くの方がマタニティブルーを経験するようです。



マタニティブルーの原因と症状

まず、言わずもがな妊婦さんは出産のために体が大きく変化します。

出産のためホルモンの急激な変化や、出産の疲労、不眠など色々なことが折り重なり
精神状態が不安定になってしまいます。





主な症状は、

  • 抑うつ気分
  • 不安感
  • イライラ感
  • 涙もろくなる



    などです。




私が体験したマタニティーブルー




私は当初2025年6月3日が出産予定日で5月半ばから産休に入っていました。


仕事は自営業でネイリストとして活動しています。





専門学校を出て以来10年間ずっと生活の中心は仕事でした。




産休と言ってもこんなに長く休むのは学生の時以来で、なんだかそわそわしながら産休に入りました。

里帰り出産なので実家でその時を待っていました。




産休に入って10日ほど経った日の昼頃、おしるしが来ました。




あと、なんとなく腹部に鈍い痛みを感じていたので

いよいよ出産が近づいてきたんだとドキドキしながら過ごしていました。




24時を過ぎた頃にはお腹の痛みはさらに強くなり重い生理痛が続いているような感じになりました。




少しは眠れたような、でももうすぐ産まれるという状況ではぐっすり休むという感じにもなりきれず、

結局深夜3時頃から痛みに耐えながら間隔を測り、5時になったところで痛みが5分間隔で続くので

病院に電話して確認すると、まだ分からないけど一度来てくださいとのことで病院に行きました。





この時点でもだいぶ痛みはありましたがまだ自分で状況の説明をすることが出来る程度でした。

私は普段から生理痛に悩まされていたので感覚としては中度の生理痛という感じです。





その後分娩室でモニターを繋ぎ、点滴や採尿をして様子を見て
内診の結果そのまま入院になりました。



この時はまだ少し余裕があり、おにぎりを1個食べることができました。





その後、体を温めて陣痛が進むように助産師さんが足湯を用意してくれました。



あまり眠れていなかったので少しでもリラックスできるようにとアロマもおいていただき、
少しづつ痛みが強くなりいよいよ本陣痛に…





痛みが本格的になって来るとベッドの柵にしがみついて痛みが引くまで耐える。

この繰り返しでした。



病院の方でお昼を用意していただきましたが全部食べ切ることはできませんでした。






どんどん痛みが強くなり
助産師さんがずっと腰をさすってくれていました。





すると途中でピコンピコンという音が。





胎児にしっかり酸素が届いていないかもしれないという事で一気に先生たちの空気感が変わったのを覚えています。



先生、助産師さん、看護師さん、いろんな方が次々に駆けつけてくれて

あと少しで赤ちゃんに会えるんだというのが分かりました。



ですがこの頃にはもう私は息をするのがやっとで周りを冷静に見ていられませんでした。








ここで子宮口7㎝になったので分娩台に上がりました。






この後のことはなんとなくは覚えていますがはっきりと冷静に周りを見る余裕はなかったので

後になって母から詳しく聞きました。











私は陣痛と息みたさで朦朧としていたのですが赤ちゃんがなかなか下に降りてきてくれなかったようで

まだ息んではいけないよと言われ続け、死にそうになりながら呼吸を続けていました。

ですがやはり赤ちゃんの酸素量が足りていないようで

助産師さんの判断で先生を呼び最終的に吸引分娩で

2人の助産師さんに上からお腹を押されながら出産に至りました。






赤ちゃんは出てきてすぐに大きな声で泣いてくれたのでその声を聞いて私はようやくホッとしました。




その後今度は私の体の処置になりました。

出産の瞬間は本当に気付きませんでしたが会陰切開をしたらしく会陰縫合が必要でした。


会陰切開に加えて出産時に会陰が裂けてしまったので体感的には縫合の時間がだいぶ長く感じました。




処置を終えて病室に運ばれる際もいつも通りに座ることが出来ず

円座クッションを敷いてもやっとの思いで車椅子に乗りました。





今考えると睡眠不足、疲れ、妊娠中からの身体の変化、

そして出産時のダメージで身体はボロボロだったと思います。






そして病室に戻るとホッとしたのも束の間、

すぐに傷口やお腹周りの診察、そして授乳が始まります。



その夜は新生児室で赤ちゃんを預かっていただき私は休ませていただきました。

ですが産後でハイ状態になっていたのかなかなか寝付けず、お手洗いにいっても排尿ができなかったりと

身体がコントロール出来ていないことに、これはまずい兆候なんじゃないかとは思いつつも

子供が無事に産まれてくれた喜びで写真を何度も見返して我が子の愛しさを噛み締めていました。




翌朝から早速オムツ替え、授乳と赤ちゃんとの日々が始まりました。


私がお世話になった病院は母子同室の総合病院で助産師さんたちも皆さん良い方達で

安心して相談できたりしたのですが初めての子育てはそう甘くはありませんでした。



3時間おきに授乳をしますがミルクと母乳の混合育児を希望していたので

まず母乳を飲ませてからミルクをあげるのですが、なかなかおっぱいを上手く吸えなくてだいぶ時間がかかってしまいました。



その後ミルクをあげてゲップをさせます。


そして哺乳瓶を片付けてオムツを変えて寝かしつけます。





一通り終わった頃には開始から2時間近く時間が経過してしまっていました。



そうするとすでに1時間後には次の授乳の時間が迫っていました。




寝不足な身体でその1時間を眠ってしまうと次の授乳の時間を寝過ごしてしまうような気がして

結局その1時間も眠ることはせずにベッドに横になって時間になるのを待ちました。



これをひたすら繰り返していきます。





昼間のうちは身体的にも活動的になるので寝不足でも稼働することができたのですが、問題は夜の時間でした。



入院2日目までは新生児室で赤ちゃんを預かっていただきましたが

今後退院した後困らないために3日目から夜間の母子同室を少しづつ始めることになりました。



そうすると流石に自分も少しでも休まなくてはと思い1時間でも眠ろうと試みるのですが

今度は、私が寝ている間に赤ちゃんの呼吸が止まっていたらどうしよう…という不安で眠ることが出来ず

結局ほとんど睡眠をとることが出来ず朝を迎えました。




そんなことを繰り返しているとだんだんと曜日感覚がわからなくなってきて

スマホを眺めては退院まであと何日と自分に言い聞かせ

とにかく時間になったらひたすらに授乳、ミルク、オムツ。




しかしただやればいいという訳でもなく、

おっぱいをきちんと咥えさせる練習をしたり

体重を測ってどのくらい飲めているか確認したり

うんちが出ていないのもよくないので定期的に様子を見て綿棒浣腸したり…



とにかくゆっくり休むということが出来ず、それどころか

初めての育児なのでミルクの吐き戻しにオロオロし、

授乳で乳首は擦り切れて痛いし、

会陰の傷がかなり痛むので痛み止めがないと座るも歩くも辛く、お手洗いは毎回ビクビクしながらしていました。





自分のこともままならないですがそれ以上に赤ちゃんのことをしっかり見てあげなきゃという思いでずっと張り詰めていました。




入院中唯一気持ちが楽になるのが、面会に来てくれる主人と両親の存在でした。

面会時間になるとほっとしました。

すごく気分転換になるし主人と両親の喜んでいる顔を見ると私も嬉しくて毎日早く会いに来ないかなと時計と睨めっこしていました。



とは言え、感染症予防で面会の規則が厳しくあまり長く一緒に過ごすことは出来ません。







決して赤ちゃんが鬱陶しく感じる訳ではなく

先生、助産師さん、看護師さん皆さんとても良くしてくださったのですが

たった5日間の入院がとてつもなく長く感じ、早く外に出たいという気持ちで毎日を過ごしました。




言い表すことは難しいのですが、

赤ちゃんのこともしっかりやってあげられているかも分からないし

もしこのままこの子に何かあったらどうしよう…

私だけどこかに取り残されたようなそんな不安と闘いながらようやく退院を迎えました。







退院して外に出て陽の光を浴びた時、全身に血が巡るような感覚になりました。



晴れて退院しいよいよ自宅での生活がスタートしました。






外に出たことで気持ちも晴れて家族もいるし少し落ち着いて過ごせるかなと思っていました。



しかし、今度は自宅というすぐに先生や助産師さんに相談できない環境であることが不安になってしまい

加えて平日は両親が仕事のため毎日両親が帰宅する夜まで1人で赤ちゃんを見なければいけないという

プレッシャーのかかる状況。

赤ちゃんは夜型のことが多いらしく深夜2時からおっぱいミルクオムツ全部試しても寝つかず、

家の中を徘徊してみたり、おっぱいを咥えさせてみたりしているうちに朝になったりすることもしばしば…







そんなこんなである時ふとSNSで子供の記事を目にするとなぜか涙が止まらなくなってしまった事がありました。



私は普段はネット上の記事や映画などでも泣く事は滅多にないので自分でもびっくりしました。



主人に電話でその事を話し、大丈夫大丈夫となだめてもらっても少しのことでまたすぐに涙が出てきてしまう。

まるで子供のように泣き続けてしまう。




こんなのことは大人になるとなかなか体験しないと思います。





両親の前ではあまり泣き顔も見せたことのない私でしたが今回ばかりは訳が違う

そう思ったので涙を出来るだけ堪えながら母に相談に行きました。


すると母はすぐに察してくれて話を聞いてもらいながらまたボロボロ泣き

ひとしきり泣いてその日は目が腫れてすごい顔になっていました。








その時、母から『独りにしてごめんね』と言われました。

私は両親にそんな風に思っていた訳ではないのですがどうやら


ひとりで頑張らなきゃ と思う気持ちと

ひとりでどうしたらいいか分からない という状況に翻弄されてしまっていたようです。





小さなことひとつ。


赤ちゃんが吐き戻しをすることなんか重々わかっているつもりですが
分かっていてもいざその場面がやってくるとすごく不安になってしまったりします。



自分がその状況に立ってみて自分の無力さ故に不安が募っていったりするのです。






この状況での母の言葉は本当に心がフッと軽くなりました。



母は私が深く考え込み過ぎないように

『大丈夫。よくある事だよ。こうすれば平気だから大丈夫。よく寝てるしちゃんと大きくなるよ。』


など安心できる言葉をそれとなくかけながら明るく笑ってくれました。



その時の私には母の存在がとても心強く赤ちゃんと私に向けてかけてくれた言葉に心を救われました。



やはり経験者である母親の言葉には安心します。




その後少し冷静になれるようになった私は週末になると赤ちゃんを父親に見てもらって

必要な物の買い出しにほんの少しだけ母と出かけるというのをよくしていました。




たったそれだけでも張り詰めた気持ちから解放されて自分をリセットたので

本当に定期的な気分転換は必要なんだと思います。





あとは妹が手伝いに帰ってきてくれたりもしたので家族に見てもらっておいて

眠れそうな時にまとめて睡眠をとらせてもらったり


夜ひとりで赤ちゃんと眠るのではなく主人がいる間は一緒に夜を過ごし、

主人が帰ってしまったあとは妹に一緒に夜を過ごしてもらいました。




独りじゃないんだと思うとすごく安心できて

私だけじゃないしすぐ相談したり頼っちゃえばいいんだ

といい意味で軽く捉えられるようになっていきました。







そうして2週間検診を迎えました。

2週間検診は赤ちゃんの様子の確認とお母さんのメンタルや子育てについての話しがメインでした。

この頃にはかなり冷静になれるようになり理由もなく涙が出た体験のこともカウンセラーさんにお話しする事ができました。







まとめ

お母さんは十月十日身体も心も赤ちゃんのために過ごします。

それはいつも通りの健康体とはいきません。

そして出産は命懸けです。

生まれてきてくれた我が子は愛おしく絶対に守り抜こうと思うのです。


しかしそこからがスタートでたくさんの困難が待っている事も事実です。



お母さんは命に変えても子供を守りたいと思う反面

知らず知らずのうちに自分を自分を追い詰めてしまっている人は実は多いのです。




その気持ちを完全に理解してもらうことは難しいのかもしれません。

ですが否定はしないでほしいのです。



上手くいかなくて苦戦しながらも子供のために本当に本当に頑張っています。

そんなお母さんに向けて


『そうじゃない』『それは違う』『手際が悪い』『考え過ぎ』

なんて言わないでください。



『頑張ったね』『大丈夫だよ』『一緒にやって行こうね』

と一緒に悩んで一緒にやってほしいのです。



身近にお母さんになった人がいたらそれでお母さんを心を救えるかもしれません。



今この記事を読んでくれているお母さんがいたら

よく頑張りましたね( ◠‿◠ )

独りじゃないですよ。一緒に少しずつやっていきましょうね。




マタニティブルーが終わっても子育てはずっと続きます。

私もこれから何が起こるのかワクワク半分、不安半分です。

きっと初体験のたびにあたふたすると思います。




分からないことばかりで不安になってブルーになってしまう

子育てはこんなことの繰り返しですよね。



でも子育てはひとりでする物ではありません。


パートナーの方、両親、兄弟、時には友達と一緒にやっていきましょう。

あと公共のサービスを頼るのがすごくいいと思います。



自分ではどうにも出来ない感情が生まれてしまったりしたら
誰かに相談してもいいのだという事を頭の隅においておきましょう。


一緒に悩みながら可愛い子供の成長を見守っていきましょうね。

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